ヴァチカン・アカデミーの生命倫理 ヒト胚の尊厳をめぐって

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ヒト胚の尊厳をめぐって
ローマ教皇庁の生命アカデミーは,自然科学,医学,神学,哲学,法律など世界の第一線で活躍しているさまざまな領域の専門家によって構成されており,それは学際的視点から人の生命の促進と保護に関する研究をし,その成果を広く社会に提供する任務を担っている。
本書は生命倫理学の誕生と系譜,そしてその基礎について論じるとともに,ES細胞研究やヒトクローニング,生殖補助医療などヒト胚をめぐる議論を中心に,科学技術と生命倫理が厳しくせめぎあうなか,生命アカデミーが自然科学の世界的な雑誌や著作,報告書などを渉猟し,最先端の研究状況を踏まえながら,〈人間にとって真に有益で人間の尊厳にふさわしい科学と技術とは何か?〉を明快に論じ,方向性づけたものである。
日本の生命倫理への取り組みは,必ずしも広く深い見地に立って行われているとは言えない状況である。ヴァチカンの生命政策はヨーロッパのみならず国連や世界の他の地域に対しても強い影響力をもってきたが,わが国では未だ正確には知られていない。
曖昧にされてきたヒト胚の発生史的な位置づけなど,新たな科学的知見にもとづく多くの見解と提言は,研究者や患者,産業界など錯綜した利害によって歪められる危険をはらんだ生命倫理に,確かな基盤を与えてくれるに違いない。

秋葉 悦子 訳著

知泉書館

ヴァチカン・アカデミーの生命倫理 ヒト胚の尊厳をめぐって

4,400円(本体4,000円、税400円)

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