メランヒトンとその時代 ドイツの教師の生涯

  • メランヒトンとその時代
ドイツの教師の生涯
1517年のルターによる95か条の提題に始まり,1555年のアウクスブルク宗教和議による終結まで,宗教改革史全体をともに生き,大きな影響を与えたのが,フィリップ・メランヒトン(1497-1560)その人でした。ルターはオリジナルな神学思想を展開しましたが,メランヒトンは福音派の信仰告白を起草し,福音派神学の最初の教科書という衣装をきせたのです。
ルターの影に隠れて目立たない存在に思われがちな彼は,宗教改革運動の実質を担い,それを稔りあるものに作り直していくと同時に,中等・高等教育機関としてのギムナジウムや大学制度の基礎を整え,ドイツの教師と呼ばれてきました。
著者はあまり知られていないメランヒトンの側面を紹介しつつ,歴史のうねりのなかで真摯に生き抜いた彼の姿を分かりやすく描いています。本書は単なる伝記ではなく,メランヒトンについて学ぼうとする読者にとって優れた入門書にもなっています。

日本語版への序文

メランヒトン,だれ,何者?
中世の終わりに生まれて
人文主義(フマニスムス)の影響下で
マルティン・ルターとの出会い
宗教改革側での第一歩
最初の福音主義教義学
しぶしぶの結婚
マイホーム
ついに,ザクセンでの宗教改革
学校と大学への関わり
カリタース・ピルクハイマーとの出会い
帝国議会とアウクスブルク信仰告白
信仰のための戦争?
福音派の教皇?
宗教会談
ケルンとオスナブリュックにおける宗教改革
魅力的な誘い
メランヒトンとカルヴァン
親友,ヨアヒム・カメラリウス
聖餐の際,何が起こるのか?
幼児洗礼――賛成と反対
人間の意志は自由か?
聖人を崇拝しても,懇願はしない
人生の危機
ロキのドイツ語版
ルターにまつわる悲痛
戦争!
ヴィッテンベルク大学の救助
アウクスブルク仮信条と「ライプツィヒ仮信条」
「些末なこと」をめぐる争い
公会議への道のり
アウクスブルク宗教和議
再度,宗教会談
ユダヤ人――仲間・兄弟それとも敵?
ウィーン市外のトルコ人
天文学と占星術
最期の日々と死
メランヒトンの影響
メランヒトン記念とメランヒトン研究
メランヒトンを読み,研究すること

訳者あとがき
年表

マルティン・H・ユング 著
菱刈 晃夫 訳
出版社: 知泉書館

メランヒトンとその時代 ドイツの教師の生涯

3,740円(本体3,400円、税340円)

購入数

カテゴリーで選ぶ