キーワードでたどるキリスト教の歴史
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オーソドックスな歴史の知識にとどまらず、ローマ期から現代に至るそれぞれの時代のキーワードを解説することで、キリスト教の歴史をたどる。多くの図版や写真、教会建築史や人物伝などの「コラム」を収録。ヨーロッパの旅行ガイドとしても十分に楽しめる。
【目次】
キリスト教教派図/まえがき
第1章 弟子から教会へ 1世紀
……イエスはキリスト
キリスト教のシンボルは十字架ではなかった!?
イクテュス/シンボル
キリスト教徒の聖書
聖書世界の言語/七十人訳/旧約続編
1世紀の教会生活
カタコンベ/食事の姿勢
東方のキリスト教
アジアの宗教/アルメニア教会/東方諸教会
第2章 迫害から国教へ 2―4世紀
……教会こそ神の国
これにて勝て/カイロー/キリスト教国ローマ/ニカイア公会議/
ニカイア信条/アンブロシウスを司教に!/郷に入っては郷に従え/
取りて読め/知らんがために我信ず/神の国
◎ミニコラム
Ⅹmasの ’
◎コラム
教会堂建築の歴史①バシリカ様式
第3章 拡大から混迷へ 5―6世紀
……まことの神、まことの人
ローマ帝国分裂/中世はいつからいつまで?/五人の総主教/
ローマ教皇とコンスタンティノポリス総主教/正統と異端
1世紀の異端
グノーシス派/エビオン派
2―3世紀の正統と異端
4世紀の正統と異端
マニ教/アレイオス派/アタナシオス派/
ホモウーシオスとホモイウーシオス
5世紀の正統と異端
ネストリオス派/カルケドン公会議/単性論教会と景教/
ローマ五大聖堂と聖ソフィア/古カトリック教会
◎コラム
新約聖書の正典化と使徒教父文書/ヒエロニュムス/
教会堂建築の歴史②ビザンティン様式
第4章 荘厳から分離へ 7―10世紀
……父(と子)から出て
フィリオクェ
ユーゴ紛争の遠因/東西の文化の違い/フィリオクェ論争/
聖画像論争/フランク王国/オリエンテーション/グレゴリウス一世
◎コラム
東方正教会/埋葬と門出
第5章 隠者から軍隊へ 11―14世紀
……祈れ、働け!
ブラックフライアーズ駅/修道士/ベネディクトゥス/
祈れ、働け!/クリュニー/シトー/ロマネスク/十字軍/
ヴェズレーとサンティアーゴ・デ・コンポステラ/
レコンキスタと巡礼/騎士団/フランチェスコ/教皇の精鋭部隊
◎ミニコラム
聖務日課/ハーメルンの笛吹き男とドイツ人の東方入植
◎コラム
教会堂建築の歴史③ロマネスク様式/
教会堂建築の歴史④ゴシック様式/
教会堂建築の歴史⑤ムデハル様式/
教会堂建築の歴史⑥ルネサンス様式/
サンフランシスコとロスアンジェルズ/ヴァルドーをさがせ!/
メメント・モリ/モンマルトル
第6章 強権から抵抗へ 14―15世紀
……真実を愛し、真実を語り、真実を守れ
神聖でも、ローマ的でも、帝国でもない/カノッサへ行く/叙任権闘争/
教皇は太陽、皇帝は月/教皇のバビロン捕囚、大分裂/ウィクリフ/
人民の、人民による、人民のための統治/フス/コンスタンツ公会議/
フス戦争/真実を愛し、真実を語り、真実を守れ/サヴォナローラ/
ルネサンスとキリスト教/贖宥状、ローマの牝牛/
先駆者と改革者の違い/グーテンベルク
◎コラム
ジャンヌ・ダルクとフス派/聖書に章と節をふった人
第7章 改革から開拓へ 16世紀前半
……ヴィッテンベルクに槌音は響いたか?
ルターの改革
信仰義認・聖書のみ・万人祭司/普遍論争/
オッカムの剃刀/人文主義と聖書学/参事会/
ヴィッテンベルクの槌音/ヴァルトブルクのインク壺
カルヴァンの改革
常に改革されるべき教会/アウクスブルクの和議と三十年戦争
カトリック改革
トリエント公会議/イエズス会/神のより大いなる栄光のため/
ポルトガルとイスパニアの世界分割/主よ、十分です/
高山右近/地球の裏側が鎖国の原因?
◎コラム
ルターのクリスマス・ツリー伝説/会衆歌と詩編歌/
改革者たちの本名/ライン川とエルベ川/民族と宗教
第8章 独立から分派へ 16世紀後半
……スコットランドを我に、しからずんば死を!
プロテスタントのその後/首長令/イングランドの二人のトマス/
ノックス/セント・アンドルーズ/三人のメアリとノックス/
スコットランドを我に、しからずんば死を/
ピルグリム・ファーザーズ/感謝祭/オランダの教会
◎コラム
シェイクスピアと欽定訳聖書/ユニオン・ジャック/
アイルランドの旗/ハロウィーンとガイ・フォークス・デイと感謝祭/
ポカホンタスとキリスト教
第9章 理性から倫理へ 17―18世紀
……最も良きことは神が共にいましたもうこと
理性の時代/デカルトと合理主義/スピノザと汎神論/
経験論/カント/ルター派正統主義と敬虔主義/
ツィンツェンドルフとモラヴィア兄弟団/
ツヴィングリの流れの正統主義と再洗礼派/メノナイト/
カルヴァンの流れの正統主義とアルミニウス/
イングランドのピューリタン/主教戦争と清教徒革命/
クロムウェルと名誉革命/ヘルウィスとバプティスト/
フォックスとクェーカー/ウェスリーとメソディスト/
世界はわが教区/キリスト者の完全/
最も良きことは神が共にいましたもうこと
◎コラム
チューリップの神学/コモンウェルス/
実業家を生んだ教派クェーカー/ウェスリーを生かした神の言葉/
ジャンセニズムとパスカル/教会政治/
教会堂建築の歴史⑦バロック様式
第10章 伝道から学問へ 19世紀
……ボーイズ・ビー・アンビシャス!
フランス革命とキリスト教/国教会と自由教会/
アメリカの国内宣教/ヨーロッパの国内宣教/救世軍/
欧米の外へ/モリソンとモリソン号事件/リヴィングストン/
最後の伝道地/浦上四番崩れ/最初の日本人プロテスタント信徒/
横浜バンド/クラークと札幌バンド/ジェーンズと熊本バンド/
シュライアマッハーとキルケゴール/自由主義神学と聖書学/
福音派とカトリックの態度
◎ミニコラム
ヘボン
◎コラム
信仰告白の配列/ボーイズ・ビー・アンビシャス! だけ?/
あと二つのバンド/リヴィングストンとリドル/
教会堂建築の歴史⑧新古典主義様式/ルルドのベルナデット/
教会堂建築の歴史⑨アール・ヌーヴォー様式
第11章 戦争から福音へ 20世紀前半
……神の前に、神と共に、神なしに生きる
危機神学=弁証法神学=神の言の神学=新正統主義/
新正統主義の位置/聖書学の発展/超国家主義とキリスト教/
告白教会とボンヘッファー
ボンヘッファーの思想
安価な恵み/他者のための教会/成人した世界/
神の前に、神と共に、神なしで生きる
◎コラム
シュヴァイツァー/原理主義=根本主義?/モンキー裁判/
教会合同とエキュメニズム/ホーリネス・ペンテコステ・カリスマ/
コルベ神父/20世紀の殉教者/第六部・第九部/
教会堂建築の歴史⑩モダニズム様式
第12章 対立から一致へ 20世紀後半
……私には夢がある!
聖書学の進展/第二ヴァティカン公会議/
実践神学の復権と賛美歌爆発/キング牧師/解放神学
◎コラム
古文書の発見/マザー・テレサ/日本基督教団の戦責告白/
日本基督教団と沖縄キリスト教団の合同/霊性と敬虔/
韓国のキリスト教/キリスト教は欧米か?
あとがき/各章の参考資料/索引
林 信孝:著
四六判 並製 272ページ
出版:日本キリスト教団出版局
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