キリシタン黒田官兵衛 下巻

  • キリシタン黒田官兵衛 下巻

小和田哲男先生(「軍師官兵衛」時代考証)の推薦文

江戸時代、幕府が禁教令を出していたため、黒田家が編纂した『黒田家譜』には、官兵衛がキリシタン大名だったことに全く触れていない。また、関係史料も抹殺ないし隠匿されたりしたため、官兵衛がキリスト教に入信していた事実が隠される傾向にある。

そのため、官兵衛を扱った小説などでは、秀吉によって出された「バテレン追放令」を受けてすぐ棄教してしまったかのように描かれることが少なくない。

ところが、官兵衛は亡くなるまでキリシタンとして生きているのである。博多でキリスト教徒たちが盛大な葬儀を営んでいたことがキリスト教関係の史料から明らかとなっている。

本書は、なぜ官兵衛がキリスト教に入信したのか、いつ入信したのかを、当時のイエズス会関係史料を駆使して究明している。また、これまでほとんど掘り下げられることのなかった点、すなわち、官兵衛はキリシタンとしてどのように生きたのかについても論及されており、注目されるところである。

また随所に、フランシスコ・ザビエルがはじめてわが国にキリスト教を伝えてからの伝道の歴史が盛りこまれており、キリシタン大名が生まれる背景についても目配りされていて読みごたえがある。

これまで通説的には、秀吉が官兵衛を“冷遇”した理由を、秀吉が官兵衛の智謀を警戒したからとされてきたが、逆に著者は、「バテレン追放令」を出した秀吉に官兵衛が距離をおきはじめたからではないかとの解釈を示している。

キリシタンとしての官兵衛について、これだけ詳細に述べられた本はこれまでなかった。多くの人に読んでもらいたい本である。


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著者について

さいか・のぶゆき。一九六五年生。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会で受洗。関西学院大学社会学部卒業。いのちのことば社、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。著書に『牧師夫人新島八重』(雜賀編集工房)、『生きかたを変える聖書のことば60』、『早わかりナルニア国物語とC・S・ルイス』(フォレストブックス)がある。



著者:雜賀信行
出版: 雜賀編集工房

キリシタン黒田官兵衛 下巻

1,540円(本体1,400円、税140円)

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