渡辺善太著作選4 聖書論―聖書正典論〈2/1〉

  • 渡辺善太著作選4  聖書論―聖書正典論〈2/1〉
渡辺善太先生の「聖書論」に接したのは、私が青山学院大学院の修士論文「主の祈りの研究 ―― その歴史と神学 ――」を提出し終わって間もなくの頃であった。

……やがて任地に赴いて説教の現場に立たせられたとき、問題は説教者としての私の生死にかかわる切実さをもつに至った。

そのころ先輩の紹介を介して私は『聖書論』に出合った。

それは私の伝道者としての神学の開眼の時であったといってよいと思う。

……しかし神学としての自己確立は適切な方法諭的自己限定から出発すべきではないだろうか。

そして私はその限定は正典という場において与えられていると思うのである。

正典としての聖書こそが、神学的認識根拠であり、教会的存在根拠なのではないだろうか。

その場を外にしてプロテスタント神学はいかなる自己限定をもつのか。

はなはだ単純なことなのだが、正典論はこのことのためにあるようなものだ、と思う。

渡辺先生の『聖書論』はこの意味で、神学を語るものが必ず対決を迫られるはずのものである。

(巻頭エッセイより)



著者:渡辺善太

出版:ヨベル

渡辺善太著作選4 聖書論―聖書正典論〈2/1〉

1,980円(本体1,800円、税180円)

購入数

カテゴリーで選ぶ

モバイルショップ